MENU

Mapダイアリー

MAP DIARY

vol.811 安売りの弊害

世界中で激しいインフレが起こっています。一方でここ数十年、日本人労働者の賃金は上がらず世界最安値を更新中です。原因はいくつもあるにせよ。消費者としての日本人の意識の低さにも問題があるのではないでしょうか。「安ければ何でもいい」「安いのはいいことだ」という消費者マインドが今の賃上げをしない日本の企業を創った。

円安は外国人にとって日本国内の商品が一斉値下げされたことになる。日本全国が大バーゲンセールの状態です。だから物が売れる。しかし「値下げ」ありきの商売を続けていくと、弊害も大きい。たくさん物が売れて、工場をフル稼働させて生産をしても会社は儲からない。長時間労働をしても、残業をしても従業員の給料は一向に上がらない。

不況だから安くないと売れない。本当でしょうか?日本は円安政策で海外から観光客を呼び込んでいます。観光業の安売りです。それに対してスイスやイギリスは通貨としてかなり割高だけれども、それ以上の価値を海外からの観光客に認めさせて堂々と勝負している。数年前、ユーロ高だった時もヨーロッパブランド(ルイヴィトン、エルメス、ブルガリ、プラダ、カルティエ等)は値下げをしませんでした。「高くても欲しい」と思わせる戦略に注力しました。どちらが高度な戦略かいうまでもないでしょう。

安いものがダメとは言いません。しかし安い物ばかり作っていると「高くても欲しい」と思わせるような憧れを抱かせる製品を作れなくなってしまう。低価格で手に入る大量生産の製品であふれかえる国。そんな国はいつしか外国人観光客から見向きもされなくなってしまうのではないでしょうか。

2022.12.05 東京本社 「日本の家計を守る研究会」編集室

マネースクール随時開催!

将来の自分のために、お金の基本と工夫を学んでみませんか?
マネースクールに参加された方を対象に無料個別相談も行っています。
老後の不安や資産運用、住宅ローン相談など、各種お悩みをファイナンシャルプランナーが一人ひとりの状況に合わせてしっかりとアドバイスいたします。

開催スケジュールを見る

セミナー開催スケジュール