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vol.457 利便性や効能では学びは発動しない

「学び」について話したい。学ぶ側(≒弟子)というのは、自分がこれから何を 学ぶことになるのかよくわからないものです。

だいたい何かを「学ぶ」時に、自分がこれから習う知識や技術、情報についてその実用性や価値について一覧的にはわかっていないはずです。わかっていたら習う必要がない。

教育というのは、まず要求があって、それに対して「はい、これがお求めのものです」と言って差し出して、 引き換えに代価を受け取るというものではないと僕自身はそう考えています。
教育は商取引ではありません。最初は無償の贈与から始まる。
「わたしには是非教えたいことがある」という教えたい人がいて、その人の周りに「教わりたい」という習う側の踏み込みが起こる。

両者の踏み込みが同時に成立した時に初めて本当の意味での教育が成立する。マネースクール設立と同時期に、社内の独立研究機関として「小林誠研究室」が設立されました。
受講生たち(一般のファイナンシャルプランナー)はこんなことを学びたい、これを教えて欲しいと、うるさく言うのは構わない。
それを教えるのが僕の仕事ですから。でも僕が普段から心掛けているのは、その時に、絶対に弟子の手をつかんで引っ張ってはいけないということです。

これを読んでいるのはファイナンシャルプランナーの人たちも多いでしょうから、お分かりになると思うのですが、これを勉強するとこういう「いいこと」がある、とかこういう「効果」が期待されているなんてことをペラペラ言って来るFPは全然勉強をしない。
自分がこれから勉強することによって、将来どのような報酬を受け取れるのか、あらかじめ一覧的な開示を要求するような人間は人のために勉強などしない。

人は効能がわかっていることに対しては発動しません。学びの意欲が活発になるのはこれを解決したいのだけれども、どうしていいのかわからない、どう勉強していいのかわからないという時です。
その不安やもどかしさを解消するためには勉強するしかないから勉強するというわけです。
これが学びの王道です。

2017.08.04 東京本社 「日本の家計を守る研究会」編集室

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